フェアトレード食品はまずい?

少々残念な話だけど、フェアトレードの食品が美味しくないという話をここ最近、何度か聞いた。
これ、事実でもあり事実でなくもあり。
あたりまえですよね。

商品自体の魅力として、FT商品を評価するときに、絶対的な品質と価格、両者のバランスを見ます。
おそらく一番良く見るのは、バランス、いわゆるコスパですね。
FT商品のコスパが悪いのは、FTプレミアムだけではなく、生産者・仲介者・販売者がすべて小規模で規模の経済性が働かない点もありそうです。
この点は、大企業ではなく小規模企業からものを買うことで地域に落ちるお金が大きくなるという意味もあります。

でも、FT関係者と話をしていて感じるのは、彼らはコーヒーやチョコレートの味をけっこう知っていることです。
おいしいものを知っている人が高品質の商品とFTを比較している。

  • 商品の水準を決める要素
    コーヒーに話を限定すると、味を決める要素は、原料の質、加工技術の2点に絞られます。

原料の質には、3点が影響します。それは、農作物としてのカカオやコーヒー豆の質と、それを出荷するまでにどのような工程を経ているかです。今回は加工工程だけに着目します。その他のことはまた別の機会に。

  • 加工
    コーヒーの加工は、選別と焙煎工程です。

選別は、豆に虫食い豆などが含まれないようにするものです。虫食い豆等が0.1%含まれているだけで味覚に影響するという人もいますから、とても重要です。同時に、この工程、手作業の割合が大きいです。それなりの規模の工場ではレーザー等でチェックすることもありますが、最後はやはり人の目と手が頼りです。つまりは、ここを省力化すればコストダウンは可能だろうと思います。

選別がどの程度味に影響するのか。。。
試したことはないですけど、一般人にとってはほとんどわからないレベルだと思います。

通常は、輸出段階である程度選別してあります。そのため日本に入ってからの選別は、一般商品の場合はあまり差がつきにくい部分です。

コーヒーの味の大半は作物の品質と焙煎が決めるのだと思います。特に僕のような普通の舌の人であれば、実は味覚に最も影響するのは、焙煎後の経過日数だと思います。日数が経って参加した豆はまずいです。というか、焙煎して数日の豆の香りがコーヒーの大きな魅力です。

さて、焙煎工程。原産国で焙煎する場合と消費国で焙煎する場合があります。ちなみに、イタリアなどで焙煎したものを日本で販売する例もありますが、今回はパスです。原産国で焙煎するものは、どうしても焙煎後の日数が経過してしまいます。一方で、次の2つのメリットがあります。人件費の安い途上国で焙煎すること、焙煎で重量が10%程度失われるため輸送費が安くなることです。